小陰
こかげ
名詞
標準
small hiding place
文例 · 用例
すると、一人の十二、三の少年が釣竿を持って、小陰から出て来て豊吉には気が付かぬらしく、こなたを見向きもしないで軍歌らしいものを小声で唱いながらむこうへ行く、その後を前の犬が地をかぎかぎお伴をしてゆく。
— 国木田独歩 『河霧』 青空文庫
村の小川、海に流れ出る最近の川柳|繁れる小陰に釣を垂る二人の人がある。
— 国木田独歩 『富岡先生』 青空文庫
家のまわり、川筋の様子、何か不審はないかと、そこの小陰にたたずみながら目を光らせました。
— 首つり五人男 『右門捕物帖』 青空文庫
ちょっくら吐かしてめえりますから、どこかその辺の小陰にかくれて、あごでもなでていなせえよ」 得意顔に引っ返していった伝六を見送りながら、名人はそこの横路地の中に身を忍ばせて、様子やいかにと待ちうけました。
— 七七の橙 『右門捕物帖』 青空文庫
何者かうしろに人のけはいをでもかぎ知ったごとくに、突然右門がぴたりと歩みをとめて、そこの小陰につと身を潜めましたものでしたから、伝六も気がついてふりかえると、かれらを追うようにして道具屋の店から姿を現わした者は、塗りげたにおこそずきんの、まぎれもなき彼女でした。
— 青眉の女 『右門捕物帖』 青空文庫
」と訊いておいて、暫くしてから扉を開けると、狐は屹度|其辺の小陰に身を潜めてゐる。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
ゴルドンもゆきたかったが、かれはるすの少年を保護せねばならぬので、富士男を小陰によんで、ひそやかにいった。
— 佐藤紅緑 『少年連盟』 青空文庫
その間道は……あれ臠はせ、彼処に見ゆる一叢の、杉の森の小陰より、小川を渡りて東へ行くなり。
— 巌谷小波 『こがね丸』 青空文庫
作例 · 標準
敵の追っ手を振り切るため、岩場の小陰に身を潜めた。
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庭の物置の小陰に、小さな野良猫が隠れているのを見つけた。
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月明かりを避けるように、建物の小陰を通って目的地へ向かう。
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