旧宅
きゅうたく
名詞
標準
former residence
文例 · 用例
晩年に到るまで、彼はこの旧宅に手を入れることは容易に承諾しなかった。
— 寺田寅彦 『レーリー卿(Lord Rayleigh)』 青空文庫
平生あまり文通をしていないこの人から珍しい書信なので、どんな用かと思って読んでみると、 郷里の画家の藤田という人が、筆者の旧宅すなわち現在T氏の住んでいる屋敷の庭の紅葉を写生した油絵が他の一点とともに目下|上野で開催中の国展に出品されているはずだから、暇があったら一度見に行ったらどうか。
— 寺田寅彦 『庭の追憶』 青空文庫
しかし父の死後に家族全部が東京へ引き移り、旧宅を人に貸すようになってからいつのまにかこの楠は切られてしまった。
— 寺田寅彦 『庭の追憶』 青空文庫
旧宅地の管理は同町内のO氏に依頼してあるので、去年以来わたしは滅多に見廻ったこともない。
— 岡本綺堂 『九月四日』 青空文庫
しかもわたしの旧宅地附近は元来が住宅区域であったので、再築に取りかかった家は甚だ少い。
— 岡本綺堂 『九月四日』 青空文庫
隣にK氏の新しい建物が立っているので、わたしの旧宅地もすぐに見出されたが、さもなければ容易にその見当が付き兼ねて、路に迷った旅人のように、この草原のなかを空しくさまよっている事になったかも知れない。
— 岡本綺堂 『九月四日』 青空文庫
わたしは自分の脊よりも高い草をかき分けて、ともかくも旧宅のあとへ踏み込んでみると、平地であったはずのところがあるいは高く、あるいは低く、なんだか陥し穽でもありそうに思われて迂濶には歩かれない。
— 岡本綺堂 『九月四日』 青空文庫
すると、出入の酒商が来て、旧宅にゐる間に何か変つた事は無かつたかと問ふ。
— 岡本綺堂 『雨夜の怪談』 青空文庫
作例 · 標準
祖父の旧宅を数年ぶりに訪ねると、庭の隅には昔と変わらず立派な梅の木が立っていた。
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かつて文豪が筆を執った旧宅が記念館として整備され、今では多くの文学ファンが足を運んでいる。
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「うわぁ、ここが昔住んでた旧宅か。柱の傷まで当時のままだよ」と彼は懐かしそうに目を細めた。
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