病躯
びょうく
名詞
標準
sick body
文例 · 用例
秋は早い奥州の或|山間、何でも南部領とかで、大街道とは二日路も三日路も横へ折れ込んだ途方もない僻村の或寺を心ざして、その男は鶴の如くに※せた病躯を運んだ。
— 幸田露伴 『観画談』 青空文庫
病躯の文章とそのハンデキャップに就いて 確かに私は、いま、甘えている。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
九十に近い老僧が瘠せ枯びた病躯に古泥障を懸けて翼として胡蝶の舞を舞うたのであった。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
お小夜の母も、つい去年までは病躯を支えて二人の子供を介錯した。
— 伊藤左千夫 『新万葉物語』 青空文庫
彼はどうしても瀕死の女房の傍に病躯を運ぶことが出來なかつた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
そして、帰って来れば、不具者か敗残の病躯か、多くは屍になって帰って来るのだ。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
それから後は阪神附近をアチコチと流離していたが、ドコにも容れられないでとうとう九州に渡って別府に逼息し、生活に労れた病躯を抱えて淋しく暮した。
— ――尾崎紅葉―― 『硯友社の勃興と道程』 青空文庫
私は回顧にひき戻され、現状に思いを馳せ、行末まで模糊と病躯に思い煩った。
— 鷹野つぎ 『窓』 青空文庫
作例 · 標準
老いた学者は病躯を無理に引きずり、完成間近の原稿を執筆するために机に向かった。
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彼は病躯をおして壇上に立ち、後輩たちのために最後となる魂の講演を行った。
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その画家の最晩年の作品には、自身の病躯から絞り出したような凄みがあった。
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