悲劇的
ひげきてき
形容動詞
標準
tragic
文例 · 用例
だいたい芸術といふ、最も悲劇的な仕事は最も喜劇的に見られ易いならはしである。
— 中原中也 『音楽と世態』 青空文庫
だが、もっと悲劇的な憂愁を湛えた人柄を想像していたのに、極めて快活で人には剽軽らしいところを見せ、出迎えの連中の中での花形になっていた。
— 岡本かの子 『みちのく』 青空文庫
王国の賛沢な偕調が部屋を満たして、アングロサクソンの英諾威人、ケント族の仏伊人、スラブの露墺人、アイオニアンの血族|希臘人、オットマン帝国の土耳古人等に交って、東洋の黄色な悲劇的な顔が七分の運と三分の運命に対する己惚れをもって、千金を夢みているのです。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
あらゆる悲劇中でそういうものをいちばん悲劇的に感ぜられたような気がする。
— 寺田寅彦 『三斜晶系』 青空文庫
しかし、見かけほど悲劇的な性格もなく、どこかのん気で愚なところがあつて、情操的にものを突き詰めては考へられなく、萍の浮いたところがあつた。
— 岡本かの子 『過去世』 青空文庫
天才の誕生からその悲劇的な末路にいたるまでの長編小説であつた。
— 太宰治 『猿面冠者』 青空文庫
長編小説「鶴」は、その内容の物語とおなじく悲劇的な結末を告げたけれど、彼の心のなかに巣くつてゐる野性の鶴は、それでも、なまなまと翼をのばし、藝術の不可解を嘆じたり、生活の倦怠を託つたり、その荒涼の現實のなかで思ふさま懊惱呻吟することを覺えたわけである。
— 太宰治 『猿面冠者』 青空文庫
天才の誕生からその悲劇的な末路にいたるまでの長編小説であった。
— 太宰治 『猿面冠者』 青空文庫