ただ事
ただごと
名詞
標準
trivial matter
文例 · 用例
ただ事がらが非情の物質と、それに関する抽象的な概念の関係に属するために、明白な陳套な語で言い現わされるような感情の動揺を感じることはないであろうが、真なるものを把握することの喜びには、別に変わりはないであろう。
— 寺田寅彦 『科学と文学』 青空文庫
ただ事がらが自然科学の事実に関する限り、それを新聞社会欄の記事として錯覚的興味をそそることだけは遠慮なくやめたほうがいいであろうと思う。
— 寺田寅彦 『錯覚数題』 青空文庫
ただ事情のために昧まされているだけであります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
ほうほう」――神職 言語道断、ただ事でない、一方ならぬ、夥多しい怪異じゃ。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
村方一同寄ると障ると、立膝に腕組するやら、平胡坐で頬杖つくやら、変じゃ、希有じゃ、何でもただ事であるまい、と薄気味を悪がります。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
一緒に自動車に乗せたというのは、ただ事でない。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
これはいよいよ、ただ事でないと、私も緊張しました。
— 太宰治 『嘘』 青空文庫
どうも、さっきからこの風呂敷包を見る君の眼がただ事でなかったよ。
— 太宰治 『雀』 青空文庫