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借家人

しゃくやにん異読 しゃっかにん
名詞
1
標準
tenant
文例 · 用例
附近一帯の水涸れで、工面のいい家は、どん/\井戸を掘り下げたり、水道を引いたりして、文字通り「涼しい顔」をしてゐられるのであるが、この埃の溜つた井戸の使用者は借家人であり、その家主は、前代は財布の紐で首でも吊つたんではないか、と疑はざるを得ない吝ん坊なのである。
葉山嘉樹 井戸の底に埃の溜つた話 青空文庫
「井戸から水が出ない」 と借家人が云ふと、「お天陽様のやる事は、家主が責任を負ふ訳には行かない」 と、この家主の老人は、舌さへ動かし惜しみつゝ答へる。
葉山嘉樹 井戸の底に埃の溜つた話 青空文庫
五人の子供等と、四人の大人にとつて、二ヶ月以上も、井戸から水を取り上げた事実は、この二人の借家人の、左まで鋭からざる神経にも相当な影響を及ぼした。
葉山嘉樹 井戸の底に埃の溜つた話 青空文庫
ふさがっている方の借家人は矢田友之助という大蔵省の官吏であった。
岡本綺堂 有喜世新聞の話 青空文庫
電燈の点いたのは、借家人が引越した時に、スイッチを切らずにそのままにしてあったのが、故障のために消えていて、それが何時の間にか点いたのであろうと思った。
田中貢太郎 指環 青空文庫
内地雑居となった暁は向う三軒両隣が尽く欧米人となって土地を奪われ商工業を壟断せられ、総ての日本人は欧米人の被傭者、借地人、借家人、小作人、下男、下女となって惴々焉憔々乎として哀みを乞うようになると予言したものもあった。
内田魯庵 二十五年間の文人の社会的地位の進歩 青空文庫
亡国の氏として、露国の主権に服従していた人々には、今度、独軍がワルシャワを占領するということは、借家人が、いつの間にか、自分の家が売物に出ているのを知るのと、あまり変ったおどろきではなかった。
菊池寛 勲章を貰う話 青空文庫
震災後、東京では救護事業が一渡り落ち付いて来ると、間もなく労働紹介や身上相談と共に、市内各地に巡回の調停裁判所を設けて、借家人と家主や地主の喧嘩をさばいてまわった。
夢野久作 街頭から見た新東京の裏面 青空文庫
作例 · 標準
家主は、借家人の苦情に真摯に耳を傾け、対応を約束した。
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