空想家
くうそうか
名詞
標準
dreamer
文例 · 用例
一体電子を借りなければ説明の出来ないような諸現象がまだ発見されず、物質の最小部分が原子だとして充分であった時代において、原子は更に一層微細なる部分より成ると論ずる人があったとすれば、その人は空想家か哲学者であって少なくも実験科学者ではない。
— 寺田寅彦 『物質とエネルギー』 青空文庫
傍若無人に何か柿江と笑い合う声がしたと思うと、野心家西山と空想家柿江とはもつれあってもう往来に出ているらしかった。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
彼奴は妙に並外れた空想家で、おまけに常識はずれの振舞いをする男だが、あれできまりどころは案外きまっていて、根が正直で生れながらの道徳家だ、そういう印象を誰にでも与えている。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
一種の空想家らしくぎらぎらとかがやく大きな眼が、強度の眼鏡越しに、すわり悪く活き活きと動いた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
その、よくよくの事情に敬意を表して、僕はその百円をあんたに進呈しようといっているわけだ」七「あなたも随分空想家ね」 と、弓子は笑いながら、「――よくよくの事情……?
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
僕は御存じの通り非常な空想家だ。
— 渡辺温 『嘘』 青空文庫
凡そ其後今日までに私の享けた苦痛といふものは、すべての空想家――責任に対する極度の卑怯者の、当然一度は享けねばならぬ性質のものであつた。
— 石川啄木 『弓町より』 青空文庫
およそその後今日までに私の享けた苦痛というものは、すべての空想家――責任に対する極度の卑怯者の、当然一度は受けねばならぬ性質のものであった。
— 石川啄木 『弓町より』 青空文庫