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温室

おんしつ
名詞頻度ランク #13861 · 青空 768
1
標準
greenhouse
文例 · 用例
やがて最初に目に入つた玉屋に這入ると、部屋は明るくガランとしてゐて、温室のやうだつた、客の腰掛場になつてゐる、畳二枚を縦に並べた場所の、その中程に置かれた火鉢には其処の主人が如何にも睡げによつかゝつてをり、お主婦さんも割烹着を着たまゝ火鉢で手をぬくめてゐた。
中原中也 西部通信 青空文庫
温室の白塗りがキラキラするようでその前に二三人ふところ手をして窓から中をのぞく人影が見えるばかり、噴水も出ていぬ。
寺田寅彦 どんぐり 青空文庫
温室の中からガタガタと下駄の音を立てて、田舎のばあさんたちが四五人、きつねにつままれたような顔をして出て来る。
寺田寅彦 どんぐり 青空文庫
日本画部から受けた灰色の合成的印象をもって洋画部へはいって行くと、冬枯れの野から温室の熱帯樹林へはいって行くような気持がするのは私ばかりではあるまい。
寺田寅彦 帝展を見ざるの記 青空文庫
六階で以前のままなものは花卉盆栽を並べた温室である。
寺田寅彦 丸善と三越 青空文庫
しかしこのごろだんだんいろいろの人に聞いてみると、中にはあの温室へはいると気持ちがわるくなるという人もあった、花だって貧弱なのばかりじゃないかと言った人もある。
寺田寅彦 丸善と三越 青空文庫
他国では科学がとうの昔に政治の肉となり血となって活動しているのに、日本では科学が温室の蘭かなんぞのように珍重され鑑賞されているのでは全く心細い次第であろう。
寺田寅彦 自由画稿 青空文庫
長い間人間の目の敵にされて虐待されながら頑強な抵抗力で生存を続けて来た猫草相撲取草などを急に温室内の沃土に移してあらゆる有効な肥料を施したらその結果はどうなるであろう。
寺田寅彦 路傍の草 青空文庫