歳月
さいげつ
名詞副詞頻度ランク #13376 · 青空 936 例
標準
time
文例 · 用例
そして今、既に歳月の過ぎた後の、同じ春の日に感ずるものは、その同じ昔ながらに、宇宙のどこかに実在しているかも知れないところの、自分の心の故郷であり、見たこともないところの、久遠の恋人への思慕である。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
蒼茫として歳月過ぎ、廣瀬川今も白く流れたれども、わが生の無爲を救ふべからず。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
五年の長い歳月を費し、しかも大敗の憂目を見ること三度、やうやうにして首里よりはるか遠くの石垣島を占領したあの苦しみも忘れてしまふ程であつた。
— 太宰治 『地図』 青空文庫
いかに龍宮の數日が陸上の數百年に當るとは言へ、何もその歳月を、ややこしいお土産などにして浦島に持たせてよこさなくてもよささうなものだ。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
いや、歳月の話はよさう。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
また永い歳月かかって体験から築き上げた考えと覚悟はもはや何物を持って来ても壊せず揺ぎないものと思っていた。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
ところがいま、模索した程度に過ぎないものの、福慈岳の存在に出遇ってみると、それ等のものは一時にけし飛び、自分なるものを穴に横匍う蘆間の蟹のように畸形にも卑小に、また、経めぐって来た永い歳月を元へ投げ戻されてただ無力の一|孩児とにしか感じられない。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
「わたくしが、物ごころついた時分からでも、この大地の上に、四たびほど、それはそれは永く冷たい歳月と、永く暖かい歳月が、代る代る見舞うたのでありました」 冷たい時期の間は、鈍く寒い大気の中に、ありとあらゆるものは、端という端、尖という尖から、氷柱を涙のように垂らして黙り込んでいた。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
作例 · 標準
あっという間に過ぎ去る歳月を感じながら、子供の成長を温かく見守っていた。
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