蛹
さなぎ
名詞
標準
chrysalis
文例 · 用例
私の机上には、有り合せの玻璃瓶に、菜の花が投げ込んである、これは弟に捜させて、採って来たものである、天鵞絨のように、手障りの柔らかな青い葉が、互い違いになって、柱のような茎を取りまいて居る、此柱の頭から、莟みが花傘なりに簇がって、蛹虫の甲羅のように、小さく青く円くなっている。
— 小島烏水 『菜の花』 青空文庫
その一年の間に、他人の生活の何千年かを蛹にしてしまう職業に携っている、その人間の一年では絶対にないのであった。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
まるで蛹の踊りです。
— 宮沢賢治 『チュウリップの幻術』 青空文庫
」「蛹踊とはそいつはあんまり可哀そうです。
— 宮沢賢治 『チュウリップの幻術』 青空文庫
真綿は繭を曹達でくたくた煮て緒を撈り、水に晒して蛹を取り棄てたものを、板に熨して拡げるのだったが、彼女は唄一つ歌わず青春の甘い夢もなく、脇目もふらず働いているうちに、野山に幾度かの春が来たり秋がおとずれて、やがて二十三にもなった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
昆虫の生態は、幼虫時代と、蛹虫時代と、蛾蝶時代の三期に分れる。
— 萩原朔太郎 『老年と人生』 青空文庫
そして飽満の極に達した時、繭を作って蛹となり、仮死の状態に入って昏睡する。
— 萩原朔太郎 『老年と人生』 青空文庫
そして準備が完成した時、一先ず蛹となって昏睡し、再度新しく世に出た時には見ちがうばかりに美しい肉体と旺盛な性慾を持ったところの、水々しい青春の男に化している。
— 萩原朔太郎 『老年と人生』 青空文庫
作例 · 標準
蝶になる前の、あの静かな蛹の姿は神秘的だ。
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庭で見つけた木の枝に、小さな蛹が付いていた。
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「わあ、ここにも蛹がある!どんな蝶になるのかな?」
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