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火熨斗

ひのし
名詞
1
標準
traditional ladle-shaped, charcoal-heated clothing iron
文例 · 用例
」 と突拍子な高調子で、譫言のように言ったが、「ようこそなあ――こんなものに……面も、からだも、山猿に火熨斗を掛けた女だと言われたが、髪の毛ばかり皆が賞めた。
泉鏡花 みさごの鮨 青空文庫
自分のものは、肌のものから、足袋まで、綺麗に片づけて、火熨斗を掛けて、ちゃんと蔵って、それなり手を通さないでも、ものの十日も経つと、また出して見て洗い直すまでにして、頼まれたものは、兄さんの嬰児のおしめさえ折りめの着くほど洗濯してさ。
泉鏡花 陽炎座 青空文庫
どうやら底にまだ雨気がありそうで、悪く蒸す……生干の足袋に火熨斗を当てて穿くようで、不気味に暑い中に冷りとする。
泉鏡花 吉原新話 青空文庫
話を綜合すると、 今暁四時半、隣家の富田洋服店の三階の火熨斗場から発火して、一間と離れない丸善の二階へ直ぐ燃付いて、瞬く中に仮営業所の全部に火が廻って、到頭隣家の二三軒までも焼落ちて了った。
内田魯庵 灰燼十万巻(丸善炎上の記) 青空文庫
で、火熨斗をあてた白襦袢のやうに、真青に鯱子張つて舞台へ出た。
大正七(一九一八)年 茶話 青空文庫
わたし思ふとぞつとするわ」 千登世は仕上の縫物に火熨斗をかける手を休めて、目顏を嶮しくして圭一郎を詰つたが、直ぐ心細さうに萎れた語氣で言葉を繼いだ。
嘉村礒多 崖の下 青空文庫
いつも綿を入れたり、火熨斗をかけている女房さんは、平面ではあったが目に立つ顔で、多い毛を、太い輪のおばこに結っていた。
長谷川時雨 古屋島七兵衛 青空文庫
其れには平常の通り、用箪笥だの、針箱などが重ねてあって、その上には、何時からか長いこと、桃色|甲斐絹の裏の付いた糸織の、古うい前掛に包んだ火熨斗が吊してある。
近松秋江 別れたる妻に送る手紙 青空文庫
作例 · 標準
祖母が古い火熨斗の中に真っ赤に熾った炭を入れ、慣れた手つきで着物のしわを伸ばしていく。
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骨董品店で見つけた真鍮製の火熨斗は、ずっしりと重く、当時の職人のこだわりを感じさせた。
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資料館の展示で、現代のアイロンの原型である火熨斗の仕組みを子供たちが興味深く見ている。
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