非芸術的
ひげいじゅつてき
形容動詞
標準
inartistic
文例 · 用例
上陸当初の日に一瞥して嘔吐を催し、現代日本の醜悪面を代表する都会と罵り、世界のどんな汚い俗悪の都市より、もっと殺風景で非芸術的な都市と評した東京は、彼が死んでも住みたくない所であった。
— 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 『小泉八雲の家庭生活』 青空文庫
便所の扉がたけが低くて、中で用を足している人の顔こそ見えないが、非芸術的な二本の脚は廊下からちゃんとあけすけに見えているのであった。
— 寺田寅彦 『チューインガム』 青空文庫
こんな凡そ非芸術的なこんな、成っちゃいない芝居が、音楽効果があるだけで、どうしておれを、こんなに陶酔させるんだろう。
— 織田作之助 『夜の構図』 青空文庫
これ前章に述べたように、和歌俳句の音律的完美に対して、この種の長篇韻文が愚劣であり、当然一時の流行によって亡ぶべき非芸術的のものであったからだ。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
かの幕末の志士等が作った非芸術的な慷慨詩でも、やはり漢詩としての音律美をもち、それによって吾人をエピカルに陶酔させる。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
「私は貴方のやうな非芸術的な――似非詩人とは絶交します。
— 牧野信一 『I Am Not A Poet, But I Am A Poet.』 青空文庫
この非芸術的濫訳横行の中にあって、二葉亭の『あいびき』は殆んど原作の一字一句をも等閑にしない飜訳文の新らしい模範を与えた。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
」 こんな類の唄を早口に調子付けて歌うというだけで、極めて幼稚な非芸術的なものであるが、それが非常に人気にかなって、かの松井須磨子のカチューシャ以上に持て囃されたのであった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫