印肉
いんにく
名詞
標準
ink pad
文例 · 用例
正面の窓から差込む朝日が、それ等の机の上の硝子で出来た印肉皿や、罫紙の上を薄く班らに流れてゐた。
— 中原中也 『校長』 青空文庫
――やつと来た兄の成績表には「原級」と印肉の判然ついただが、小さな印が捺されてあつた。
— 中原中也 『耕二のこと』 青空文庫
壁に詰った印肉の山の下で、墨が石垣のように並んでいた。
— 横光利一 『上海』 青空文庫
そして部屋へ入ってランプを点けると、机の上の灰皿のなかに、赤い印肉で雅号を捺したM先生の小形の名刺が入れてあった。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
平戸よいとこ旅路ぢやけれど 旅にあるよな気がしない同宿二人、一人は例の印肉屋老人、一人は老遍路さん、此人酒はのまないけれど女好き(一円位で助平後家はありますまいかなどゝといふ、人事ではないが)。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
(know thyself!)印肉屋老人は自称八十八才、赤い襦袢を着てゐる、酒のために助からない人間の一人だ、ありがたうございました(これはこれ蚯蚓の散歩なり)。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
印肉老人また出かけて酔うて来て踊つた、踊つた、夜の白むまで踊つた、だまつて、ひとりでおとなしく――あゝ、かなしい、さみしい。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
石を拾ふついでに、白粉罎を拾うた、クラブ美の素といふレツテルが貼つてあつた、洗つても洗つてもふくいくとしてにほふ、なまめかしい、なやましいにほひだ、しかし酒の香ほどは好きでない、むろん嫌いではない、しばらくならば(これは印肉入にする)。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
作例 · 標準
契約書に押印するため、印肉を朱肉入れに置いた。
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この印肉、少し乾いてきたから、新しいものに変えようか。
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銀行印を押す前に、印肉をスタンプ台に軽く叩く。
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昔ながらの朱色の印肉は、独特の風合いがある。
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