横穴
よこあな異読 おうけつ
名詞
標準
cave
文例 · 用例
炭の活け方には色々あるが、要するに炭を並べて真中に縦穴を作り穴の下の方に横穴を作れば全体が丁度ストーヴの煙突と同じ作用をして空気の流通を促し炭の燃えるのを助ける訳になる。
— 寺田寅彦 『歳時記新註』 青空文庫
漸つと、其の(思つた)が消えて、まざ/\と恁うしてものを言交はせば、武藏野の丘の横穴めいた、山の手場末の寂びた町を、搜り/\に稼いで歩行くのが、誘ひ合はせて、年を越す蚊のやうに、細い笛の音で、やがて木賃宿の行燈の中へ消えるのであらうと、合點して、坂上も稍もの言ひが穩かに成つたのである。
— 泉鏡太郎 『三人の盲の話』 青空文庫
そのまま腰を屈めて、横穴の中へ消えるよう。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
ついでに言おう、人間を挟みそうに、籠と竹箸を構えた薄気味の悪い、黙然の屑屋は、古女房が、そっち側の二人に、縁台を進めた時、ギロリと踏台の横穴を覗いたが、それ切りフイと居なくなった。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
松明の光を便宜にして、ここぞと思うあたりの岩穴を一々検査すると、岩壁を穿ったる横穴は数ヶ所に拓かれていた。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
時に身じろぎをしたと覚しく、彳んだ僧の姿は、張板の横へ揺れたが、ちょうど浜へ出るその二頭の猛獣に護られた砂山の横穴のごとき入口を、幅一杯に塞いで立った。
— 泉鏡花 『海異記』 青空文庫
窪んだ浅い横穴じゃ。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
不細工ながら、窓のように、箱のように、黒い横穴が小さく一ツずつ三十五十と一側並べに仕切ってあって、その中に、ずらりと婦人が並んでいました。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
標準
tunnel tomb (Kofun period)