逆戻り
ぎゃくもどり
名詞動詞-サ変動詞-自動詞頻度ランク #21694 · 青空 226 例
標準
retrogression
文例 · 用例
昔郷里の田舍を歩いて居て、よく知らぬ小學生に禮をされた事を想ひ出して、時代が急に明治に逆戻りするやうな氣がした。
— 寺田寅彦 『伊香保』 青空文庫
そうしてまた、この直線的関係において「いき」が甘味へ逆戻りをする場合も考え得る。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
ガリレーの空気寒暖計は発明後間もなく棄てられたが、今日の標準はまた昔のガス寒暖計に逆戻りした。
— 寺田寅彦 『科学上の骨董趣味と温故知新』 青空文庫
」 彼等は、すっかりおさらばを告げて出て行った筈のベッドへまた逆戻りした。
— 黒島傳治 『氷河』 青空文庫
すると私はその樋が目にはいらなかつた前の、音のもとを探してゐるときの深祕に逆戻りしてゐるのだ。
— 梶井基次郎 『闇への書』 青空文庫
)山猫博士(起きあがる)「あゝ、こゝは地獄かね、おや、ポランの広場へ逆戻りか。
— 宮沢賢治 『ポランの広場』 青空文庫
朝早くお俊は帰ってゆきましたが、どういう風に藤吉の気嫌を取ったものか、それとも酔いが醒めて藤吉が逆戻りしましたのか、おとなしく仕事に出て参りました。
— 国木田独歩 『女難』 青空文庫
……それと見て、つかつかと、小刻みながら影が映す、衣の色香を一目見ると、じたじたとなって胴震いに立窘むや否や、狼狽加減もよっぽどな、一度駆出したのを、面喰って逆戻りで、寄って来る清葉の前を、真角に切って飛んで遁げた、赤熊の周章てた形は、見る見る日本橋の袂へ小さくなって、夜中に走る鼬に似ていた。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫