味気ない
あじけない異読 あじきない
形容詞
標準
wearisome
文例 · 用例
田舎のどこの小さな町でも、商人は店先で算盤を弾きながら、終日白っぽい往来を見て暮しているし、官吏は役所の中で煙草を吸い、昼飯の菜のことなど考えながら、来る日も来る日も同じように、味気ない単調な日を暮しながら、次第に年老いて行く人生を眺めている。
— 散文詩風な小説 『猫町』 青空文庫
旅への誘いは、私の疲労した心の影に、とある空地に生えた青桐みたいな、無限の退屈した風景を映像させ、どこでも同一性の方則が反覆している、人間生活への味気ない嫌厭を感じさせるばかりになった。
— 散文詩風な小説 『猫町』 青空文庫
そのなかには肌脱ぎになった人がいたり、柱時計が鳴っていたり、味気ない生活が蚊遣りを燻したりしていた。
— 梶井基次郎 『ある崖上の感情』 青空文庫
プウシキンもゴーゴリも、それはまるで外国製の歯ブラシの名前みたいな、味気ないものに思われました。
— 太宰治 『トカトントン』 青空文庫
一万五千円の学費つかって、学問して、そうして、おぼえたものは、ふたり、同じ烈しき片思いのまま、やはりこのまま、わかれよ、という、味気ない礼儀、むざんの作法。
— ――(生れて、すみません。) 『二十世紀旗手』 青空文庫
けれどもその人は模造の革で拵えて、その表面にエナメルを塗り、指で弾くとぱかぱかと味気ない音のする皮膚で以て急に鎧われ出した気がするのです。
— 岡本かの子 『愛』 青空文庫
ユーモアのない人生なんて、凡そ糞面白くないものだが、同時に、人生から偶然というものを取り除いてしまえば、随分味気ないことになるだろう。
— 織田作之助 『夜光虫』 青空文庫
私がこの世の事がすべてつまらなくて、たまらなくなっている時に、この頃おさかんのようですね、などと言われるのは味気ないものである。
— 太宰治 『メリイクリスマス』 青空文庫
作例 · 標準
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