濃紫
こむらさき
名詞
標準
dark purple
文例 · 用例
此の處、年の頃十八九と見える色白の、艶然とした中形單衣、夜目にも透いて見える襟脚の確乎白きに、烏羽玉色の黒髮を潰し島田に結んだ初初しさ、濃紫の帶を太鼓に結んだ端が二寸許り、たれてその先が地に着かんとして觸れ合つて居る。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
中の茶屋へ着くと、松虫草の紫は、見る影もなく褪せているが、鳥冑草は濃紫に咲いている、そして金屏風を背後にした菊花のように、この有毒植物の、刺戟強い濃紫は、焼砂の大壁を背景にして、荒廃の中に、一点の情火を、執念くも亡ぼさずにいる。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫
陽が西に沈むにつれ山は裾から濃紫に染め上って行く、華やかにも寂しい背光に、みるみる山は張りを弛めて、黒ずみ眠って行く。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
夫人特有の真白い素足が、夫人の濃紫の裾から悠々と現われました。
— 岡本かの子 『女性の不平とよろこび』 青空文庫
濃紫の衣装を着た女が自分の横に腰掛けているらしかった。
— 寺田寅彦 『三斜晶系』 青空文庫
ユヒソメテ馴レシタブサノ濃紫オモハズ今ニアサカリキトハ、といふお歌など、これがあの天才将軍のお歌かと蓮胤はいぶかしく存じました。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
玉屋には濃紫、稲本には二世小稲がいた。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
香以は暫く吉原に通っているうちに、玉屋の濃紫を根引した。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
作例 · 標準
夕闇に染まる山々が、美しい濃紫のシルエットを描いている。
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彼女が身に纏っている濃紫の着物は、高貴で落ち着いた印象を与える。
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庭に植えたコムラサキの木に、小さな紫色の実がびっしりとついた。
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