弊衣
へいい
名詞
標準
worn-out clothes
文例 · 用例
弊衣破帽の学生さんが、学士の免状を貰った日に馬車が迎えに来た時代の灰色の昔の夢物語に過ぎない。
— 寺田寅彦 『学位について』 青空文庫
謂わば、弊衣破帽である。
— 太宰治 『デカダン抗議』 青空文庫
昔者カーライル、弊衣を着、破帽をいたゞいて、一日馬車を竜動街頭に駆る。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
よしさりとも、一たび同胞と睦合へりし身の、弊衣を飄して道に酔ひ、流車を駆りて富に驕れる高下の差別の自ら種有りて作せるに似たる如此きを、彼等は更に更に夢ざりしなり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
私はあのツルゲネフのゼントル・フォークの中に出て来る、自分を野の百合に比べ、雲井のひばりにたとえる弊衣の詩人青年のことを君について、思ったのであった。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
美的修飾は贅沢の謂に非ず、破袴弊衣も配合と調和によりては縮緬よりも友禅よりも美なる事あり。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫
竹逕は弊衣を著て塾を出で、漁村に代って躋寿館に往き、間部家に往き、南部家に往いた。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
常に弊衣を著ていた竹逕が、その頃から絹布を被るようになった。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
作例 · 標準
彼は自ら弊衣をまとい、飾らない姿で民衆の中に入っていった。
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名利を捨てたその僧侶は、弊衣に身を包み行脚を続けていた。
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「このような弊衣でお恥ずかしい」と主人は謙遜しながら客を招き入れた。
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