虚実
きょじつ
名詞
標準
falsehood and truth
文例 · 用例
実と虚と相接するところに虚実を超越した真如の境地があって、そこに風流が生まれ、粋が芽ばえたのではないかという気がするのである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(※)』 青空文庫
それはもちろん風雅の心をもって臨んだ七情万景であり、乾坤の変であるが、しかもそれは不易にして流行のただ中を得たものであり、虚実の境に出入し逍遙するものであろうとするのが蕉門正風のねらいどころである。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
不易流行や虚実の弁については古往今来諸家によって説き尽くされたことであって、今ここに敷衍すべき余地もないのであるが、要するにこれは俳諧には限らずあらゆるわが国の表現芸術に共通な指導原理であって、芸と学との間に分水嶺を画するものである。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
ここにも「虚実の出入」があるといわれる。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
天狗や山男や、そんなものは未開時代の昔語と一図に信じていた彼の耳には、此話が余りに新し過ぎて、殆ど虚実の判断に迷った。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
只此書は旅中見聞せる事を筆のついでにしるせるものにして、強て其事の虚実を正さず、誤りしるせる事も多かるべし。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
義経が津軽に来たとか、三里の大魚が泳いでゐるとか、石の色が溶けて川の水も魚の鱗も赤いとかといふことを、平気で書いてゐる南谿氏の事だから、これも或いはれいの「強ひて其事の虚実を正さず」式の無責任な記事かも知れない。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
南軍の将|平安驍勇にして、嘗て燕王に従いて塞北に戦い、王の兵を用いるの虚実を識る。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
作例 · 標準
この小説は、虚実が入り混じった巧妙なストーリー展開が魅力だ。
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歴史の記録には、虚実が混在している場合が多い。
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私たちは、情報の中から虚実を見極める力を養わなければならない。
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芸術作品においては、虚実の境界線が曖昧になることがある。
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ウィキペディア
虚実(きょじつ)とは、八綱弁証において疾病の過程における邪気と正気の闘争の現れで、正邪の盛衰(病勢)に基づいて虚実という異なった病態が現れる。体質とも一定の関係がある。
出典: 虚実 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0