怪訝
けげん
形容動詞頻度ランク #27082 · 青空 639 例
標準
puzzled
文例 · 用例
然し、やがてAの怪訝な顔を見て、では此の話をやめようといふことにする。
— 中原中也 『心理的と個性的』 青空文庫
スタンドにゐるお内儀さんは、時々怪訝さうな眼付をその方にやつてゐる。
— 中原中也 『夏の夜の話』 青空文庫
寺田寅彦さんと云う方は御座らぬかとわめくボーイの濁声うるさければ黙って居けるがあまりに呼び立つる故オイ何んだと起き上がれば貴方ですかと怪訝顔なるも気の毒なり。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
令嬢は相手の目の内に現われたる怪訝、恐怖を排し去らんとする如く、拒む手付を為して。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
そして、私は怪訝の眼を女の姿に投げかけた。
— 南部修太郎 『ハルピンの一夜』 青空文庫
鼈甲屋や、衣裳屋、指物屋なぞの出入りが間遠になって来たのは、どうも怪訝しいと言う近所界隈の取沙汰じゃ……吾々もドウモそこいらが臭いような……事件の起りはその辺ではないかと言いたいような気持がするが、それから奥の深い事情が一つも判然らんけに困っとる。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
その時宅から持って行った葡萄酒やベルモットを試みに女中の親父に飲ませたら、こんな珍しい酒は生れて始めてだと云ってたいそう喜んだが、しかしよほど変な味がするらしく小首を傾けながら怪訝な顔をして飲んでいた。
— 寺田寅彦 『海水浴』 青空文庫
「今お話します」 園は小母さんの怪訝そうな顔に曖昧な答えをしながら、美しい楕円の感じのする茶の間に通って、いつもの所に、……柱を背にして倚りかかることのできる……胸の動悸を気にしながら坐った。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫