巍然
ぎぜん
副詞-と形容詞-たる
標準
towering (as mountains do)
文例 · 用例
今、島の中央に巍然として屹立する・蝙蝠模様で飾られた・反り屋根の大集会場を造ったのも、島民一同の自慢の種子である蛇頭の真赤な大戦舟を作ったのも、凡て此の大|支配者の権勢と金力とである。
— 幸福 『南島譚』 青空文庫
イザヤは其慷慨|凛凄なる舌を其「時」によりて得たり、而して其義奮猛烈なる精神をもて、次ぎの「時」の民を率ゐたり、カアライルの批評的眼光を以て覗へば、預言者は其精神を死骨と共に棺中に埋めず、巍然として他の「時」に霊活し、無声無言の舌を以て一世を号令するものなり。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
いわく虎は山獣の君なり、状猫のごとくにて大きさ牛のごとく黄質黒章、鋸牙鉤爪鬚健にして尖り舌大きさ掌のごとく倒に刺を生ず、項短く鼻|然声を作すに及んではすなわち巍然として大なりとある。
— 虎に関する史話と伝説民俗 『十二支考』 青空文庫
またいわく、〈虎行くに、爪を以て地を虎然たる声を作すに及んで、すなわち巍然として大なり〉と支那説がある。
— 虎に関する史話と伝説民俗 『十二支考』 青空文庫
眼前脚下は一大傾斜をなして下っていて、其の先に巍然として雄峙している穂高は、其の壮烈|儼偉な山相をムンズとばかりに示していた。
— 幸田露伴 『穂高岳』 青空文庫
途中白石の町は往時民家の二階立てを禁じありしとかにて、うち見たるところ今なお巍然たる家無し。
— 幸田露伴 『突貫紀行』 青空文庫
硬軟両様の使ひ分け、或は柔らかに過ぎたところの自由な表現、さうした時代も『比叡山三題』を契機として巍然として道徳的一線を引くことができるであらう。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
普通の、物賣る人かと思ひの外、巍然たる老先生也。
— 大町桂月 『白河の關』 青空文庫