私生児
しせいじ
名詞
標準
illegitimate child
文例 · 用例
そういう全く新しい科学的機械的の技術が在来の芸術といつのまにか自由結婚をしてその結果生まれた私生児がすなわち今日の映画芸術である。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
それが私生児であるがために始めのうちは、父親の芸術の世界でこれを自分の子供として認知する、しないの問題も起こったのである。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
が、三亀雄の妻は良家の娘ではあるが、実は養女であって、本当は誰の、どこの馬の骨の子か分らぬ私生児なのだ、という噂を耳にした時、だから政江は喜びの余りひどくそわ/\したものである。
— 織田作之助 『俗臭』 青空文庫
△自己批評は三人の私生児を生んだ。
— 種田山頭火 『雑信(二)』 青空文庫
」――あたしは、カテリイヌの私生児よ。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫
(私生児の泣く声は野菜とハムにかき消さる。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
その赤児は尼僧の私生児であろうと、角蔵は推量した。
— 岡本綺堂 『鷲』 青空文庫
鷲の巣から救い出して来たなどというのは拵えごとで、尼僧が自分の私生児の処分に困って、その貰い手を探しているのであろうと推量したので、彼は気の毒にも思い、また一方には慾心を起して、もし相当の養育料をくれるならば引取ってもいいと答えると、尼僧は小判一両を出して渡した。
— 岡本綺堂 『鷲』 青空文庫