即物的
そくぶつてき
形容動詞
標準
practical
文例 · 用例
蕪村は決して、子規一派の解した如き浅薄な写生主義者ではないけれども、対象に対して常に即物的客観描写の手法を取り、主観の想念やリリックやを、直接句の表面に出して咏嘆することをしなかった。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
私があの原稿を書く時、頭に浮べていた模範は、十八世紀風の紀行文、筆者の主観や情緒を抑えて、即物的な観察に終始した・ああいう行き方なのだ。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
将来の女らしさは、そういう狭い個人的な即物的解決の機敏さだけでは、決して追っつかない。
— ――女らしさの昨日、今日、明日―― 『新しい船出』 青空文庫
「水晶幻想」は即物的な表現のうちに、素朴な唯物的実在の感覚と心理のニュアンスを綯いあわせた、というよりもむしろ配列した頭脳的な作品であった。
— 宮本百合子 『文芸時評』 青空文庫
近代工業のおどろくべき進歩は、二十世紀に西洋音楽に深く影響して、オネガやストラヴィンスキーその他の音楽家たちが不協和音を摂取するようになったし、文学でも即物的な要素を加えられた。
— 宮本百合子 『今日の生活と文化の問題』 青空文庫
統計で見れば、平面的に見られる家屋の全焼全壊の指数、半焼半壊の指数を、生活の現実の中で、具体的に、即物的に数え直して見るなら、そこには全く生活の全破壊、混乱の内容が現れて来る。
— 宮本百合子 『私たちの建設』 青空文庫
従って、戦場の光景はそのものの即物的な現実性で読者の感銘に迫って来るし、一方作者によって絶えず意識され表明されている人間自然の情感というものはその描かれている世界への近接を感じさせる十分の効果をもっていた。
— 宮本百合子 『昭和の十四年間』 青空文庫
即物的な柔軟さ、こわばったところのない暖く雄勁な筆致で、対象にひたひたとよって行く感じは、まことに立派に思えた。
— 宮本百合子 『あられ笹』 青空文庫
作例 · 標準
彼は非常に即物的(そくぶつてき)な考え方をする人で、夢物語は語らない。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
即物的(そくぶつてき)な視点から、このプロジェクトの実現可能性を評価しましょう。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
恋愛よりも、まずは安定した収入を得ることを即物的(そくぶつてき)に考えるべきだ。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite