富者
ふしゃ異読 ふうしゃ
名詞
標準
rich person
文例 · 用例
富者はその美徳をあまり多く享有する事の罪を自覚するがゆえに、その贖罪のために種々の痴呆を敢行して安心を求めんとする。
— 寺田寅彦 『丸善と三越』 青空文庫
然し、五六日過ぎると、富者はまた鉄条網を張り出した。
— ――震災手記断片―― 『竹林生活』 青空文庫
織 7.)富者は貧者を蹂躙した。
— 森鴎外 『古い手帳から』 青空文庫
それに、気のせいか、日にちが立つにつれ、蘇武の己に対する態度の中に、何か富者が貧者に対するときのような――己の優越を知ったうえで相手に寛大であろうとする者の態度を感じはじめた。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
貧者は獄に入りて殃を受け、富者は経を転じて罪を免る、惟傷弓の鳥を取り、毎に呑舟の魚を漏す。
— 田中貢太郎 『令狐生冥夢録』 青空文庫
大陸の主かならずしも富者ではありません。
— 信仰と樹木とをもって国を救いし話 『デンマルク国の話』 青空文庫
貧は貧を生ずるものなり、持つものには加えられ持たざるものよりはすでに持つものをも取去らる、俗にいわゆる貧すれば鈍するとの言は心理学上の事実にして経済学上の原理なり、富者ますます富めば貧者はいよいよ貧なり、貧より来る苦痛の中にこの絶望に沈むこと、この無限の堕落を感ずることこれ悲歎の第六なり。
— 内村鑑三 『基督信徒のなぐさめ』 青空文庫
富者は多けれども神を畏るるの信仰なきは勿論、わが生みし子をすら治め得ざるもの比々皆しかりである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫