遠近
えんきん異読 おちこち
名詞頻度ランク #23630 · 青空 383 例
標準
distance
文例 · 用例
夢のうちなる遠近法、夏の夜風の小鎚の重量、それ等は既になし。
— 中原中也 『地極の天使』 青空文庫
菊岡久利の詩が、記憶を可なり無雑作に書き付けてゐる場合にも、猶一貫した流れを見せる所以のものは、彼のその克己が、彼の遠近法を乱すことがないからである。
— 中原中也 『菊岡久利著「貧時交」』 青空文庫
イラ痒い瞼、ひえびえとする野面の風にひえびえとしたみすぼらしい顔の中から、この遠近を嘆賞するもないもんだなぞ、云つては呉れるな人々よ、自然の与件は、何時でも生理のまゝに享受してゐる者でこそあれ、希望を持つて生きてゐるとも云へるので、其の他はすべて、謂はば野心で生きてゐるのだ。
— ――不真面目なわが心…… 『その一週間』 青空文庫
梅|遠近南すべく北すべく「遠近」という語によって、早春まだ浅く、冬の余寒が去らない日和を聯想させる。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
打返されて露出して居る土でも乾燥の程度や遠近の差でみんなそれ/″\に違つた色のニュアンスがある。
— 寺田寅彦 『寫生紀行』 青空文庫
それでいて山水遠近の配置が決して単調でなく、大様で少しもせせこましくない変化を豊富に示している。
— 寺田寅彦 『札幌まで』 青空文庫
とにかく、見る眼の相違で同じものの長短遠近がいろいろになったり、二本の棒切れのどちらが定規でどちらが杓子だか分らなくなったりするためにこの世の中に喧嘩が絶えない。
— 寺田寅彦 『観点と距離』 青空文庫
港を包む遠近の山の頂には冷たい色の雲が流れて、その暗い陰影に劃られた山山の襞には憂欝と冷酷の色が深く刻まれてあつた。
— 南部修太郎 『修道院の秋』 青空文庫
作例 · 標準
絵画では、遠近感を出すために筆遣いを工夫する必要がある。
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この写真、遠近感がすごくあって、奥行きが感じられるね。
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遠近の景色を一枚の絵に収めるのは難しい。
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