忘れられる
わすれられる
動詞-一段
標準
to slip into obscurity
文例 · 用例
その味の深さ、やるせなさは忘れられるものではありません。
— 岡本かの子 『縮緬のこころ』 青空文庫
これも多くの人にとっては平凡な事であろうが、世人からは往々忘れられる事である。
— 寺田寅彦 『物理学の応用について』 青空文庫
それにもかかわらずこのきわめて見やすい道理がしばしば忘れられる。
— 寺田寅彦 『日本人の自然観』 青空文庫
この明白なる事実は不幸にして往々忘れられる。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
それどころか五分十分以内に消し止める設備が完成すればするほど、万一の異常の条件によって生じた大火に対する研究はかえって忘れられる傾向がある。
— 寺田寅彦 『函館の大火について』 青空文庫
しかし多くの場合に、責任者に対するとがめ立て、それに対する責任者の一応の弁解、ないしは引責というだけでその問題が完全に落着したような気がして、いちばんたいせつな物的調査による後難の軽減という眼目が忘れられるのが通例のようである。
— 寺田寅彦 『災難雑考』 青空文庫
これもやはり、他の多くの場合と同様に自分の注目し期待する特定の場合の記憶だけが蓄積され、これにあたらない場合は全然忘れられるかあるいは採点を低くして値踏みされるためかもしれない。
— 寺田寅彦 『時事雑感』 青空文庫
そんなことがあってみれば、松本の顔が忘れられる筈もない。
— 織田作之助 『雪の夜』 青空文庫