心の奥
こころのおく
名詞
標準
inner heart
文例 · 用例
人の心の奥底を動かすものは、却て人が毎日いやといふ程見てゐるもの、恐らくは人々称んで退屈となす所のものの中にあるのだ。
— ――世の母びと達に捧ぐ―― 『一つの境涯』 青空文庫
他人の軽微な苦痛を己が享楽の小杯に盛ろうとする不思議な心理がいかなる善良な人々の心の奥にも潜在することを教えてくれたようである。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
今更らしく死んだ人を悲しむのでもなく妹の不幸を女々しく悔やむのでもないが、朝に晩に絶間のない煩いに追われて固く乾いた胸の中が今日の小春の日影に解けて流れるように、何という意味のない悲哀の影がゆるんだ平一の心の奥底に動くのであった。
— 寺田寅彦 『障子の落書』 青空文庫
地味が品質の検校を受けてしばしば上品の列に加わるのは、さびた心の奥床しさによるのである。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
妾はロダンさんの芸術を微かながら、妾の心の奥底に感じることが出来ると同時に、この老いた彫刻家に妾は自分の心を与えることが出来たのです。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
どんなに弊害があっても、人の心の奥にまで食い込む心配は少ない。
— 寺田寅彦 『神田を散歩して』 青空文庫
いろいろの人が来ていろいろの光や影を自分の心の奥に投げ入れた。
— 寺田寅彦 『病室の花』 青空文庫
」とばかりに、人の心の奥底を、ただそれだけを相手に、鈍刀ながらも獅子奮迅した、とかいう話であるが、いまは、まるで、だめである。
— 太宰治 『八十八夜』 青空文庫
作例 · 標準
誰の心の奥にも、他人には決して触れられたくない傷の一つや二つはあるものだ。
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瞑想を続けることで、自分自身の心の奥にある静かな空間を見つけることができた。
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彼の厳しい言葉は、実は相手の成長を心から願う心の奥からの愛情だった。
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