陰徳
いんとく
名詞
標準
secret charity
文例 · 用例
復讐の同盟に加わることを避けて、先君の追福と陰徳とに余生を送った大野九郎兵衛は、不忠なる元禄武士の一人として浄瑠璃の作者にまで筆誅されてしまった。
— 岡本綺堂 『磯部の若葉』 青空文庫
然るに他の一人は聲高く之を冷罵して、「止めい、陰徳家よ」と叫んだので、車を推した學生は手を離して駈け拔けて仕舞つて、既に車より前に進んで居た冷罵者に追ひ及んで、前の如く相竝んで坂を上つたのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
陰徳延寿 むかし真州の大商人が商売物を船に積んで、杭州へ行った。
— 輟耕録 『中国怪奇小説集』 青空文庫
「これは陰徳の致すところで、あなたは人間ふたりの命を助けたことがあるでしょう」 金の箆 木八刺は西域の人で、字は西瑛、その躯幹が大きいので、長西瑛と綽名されていた。
— 輟耕録 『中国怪奇小説集』 青空文庫
その代に己は子孫のために陰徳を積んで置く」と云つた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
陰徳陰徳と古人がたがやかましく言うのもほかではないぞ」。
— 河上肇 『貧乏物語』 青空文庫
それも誰からの償いも受けず最初の敵弾に斃れたということは、矢代だけでも、せめてそれを先祖の陰徳として尊びたかった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
成程善悪にや二つは無えが、どうせ盗みをするからにや、悪党|冥利にこの位な陰徳は積んで置き度えとね、まあ、私なんぞは思つてゐやすのさ。
— 芥川龍之介 『鼠小僧次郎吉』 青空文庫
作例 · 標準
彼は地域のために陰徳を積み重ねているが、それを表に出すことは絶対にない。
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困っている人を黙って助ける、それが彼の陰徳の精神だ。
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陰徳とは、見返りを求めず、ひっそりと行う善行のことだ。
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