画趣
がしゅ
名詞
標準
picturesqueness
文例 · 用例
裁判所だか海軍省だかの煉瓦を背景にした、まだ短夜の眠りのさめ切らぬような柳の梢に強い画趣の誘惑を感じたので、よほど思い切って画架を立てようかと思っていると、もうそこらを歩いている人が意地悪く此方へ足を向け始めるような気がする。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
○長命寺の下、牛の御前祠の地先あたりは水|特に深くして、いはゆる○墨田の長堤もまた直に水を臨むをもて、陽春三月の頃は水の洋たると互に相映発して、絶好の画趣と詩興とを生ず。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
その水門がくずれたままになっているのも画趣があった。
— 寺田寅彦 『写生紀行』 青空文庫
黎明印度画趣白き鷺、空に闘ひ、沛然と雨はしるなり。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
スイカダ、スイカダ、ランチ、ランチ つい、着いたばかりに発信したが、あの高麗丸から海岸の西瓜の山を瞥見してそれこそ子供のように小躍りした鮮新さや、青や白や鼠色ランチの馳せちがう、やや煙で黒っぽい油絵風の画趣からも、今はもう午前十時の観想は離れてしまった。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
それは明るいしずかな画趣である。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
映画女優のところへ女中に雇われるだけあって、彼女は非常に映画趣味があったから、ぶくぶくのオーバーを不恰好に身につけた豹一を見ると夜ふけのせいもあって、此の美少年は「男装の麗人」ではなかろうかと思ったほどである。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
しかも漫画趣味だよ。
— 夢野久作 『少女地獄』 青空文庫
作例 · 標準
朝霧に包まれた湖畔の風景は、どこをカメラで切り取っても素晴らしい画趣に溢れている。
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「この寂れた路地裏は独特の画趣があるね」と言って、彼は鞄からスケッチブックを取り出した。
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旅先で見つけた廃屋でさえ、蔦が絡まるその荒れ果てた姿には不思議な画趣が感じられた。
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