自己愛
じこあい
名詞
標準
narcissism
文例 · 用例
自己愛護から批判精神を肯定克服出来なかったことは、日本の現代文学が、その後ひきつづいて陥った悲惨な過程の重大な動因をなしている。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
リエのぼくに対する爆発的献身的な愛情の裏側には、汚された女としての彼女の病的に強い自己愛が潜んでいるのもみせつけられて遣切れない気持にもなる。
— 田中英光 『さようなら』 青空文庫
或いは自己愛の強烈なばかりに妻子も愛人も惜別の予感がなくては、愛し続けられぬぼくのエゴチズムによるものだろうか。
— 田中英光 『さようなら』 青空文庫
第二に、これは屡々云つた通り、優れた現代演劇のない国に、優れた劇作家の出る筈はなく、偉大な才能はまた偉大な自己愛護者であるから、名優の出演望み難き現代劇など書くよりも、小説を書いて、直接その価値を世に問ふことに、満身の熱情を燃え立たせるのである。
— 岸田國士 『戯曲及び戯曲作家について』 青空文庫
自惚れが病的に昂じて自己愛の顕示が極端になると、他人の注意をひくために、裸でおもてへ飛びだすというあられもない狂態を演じるそうだ。
— 久生十蘭 『だいこん』 青空文庫
自己愛の顕示もここまでくれば、立派な精神病の一種だといいたい。
— 久生十蘭 『だいこん』 青空文庫
人間の原始的な自己愛のリビドーは併しただ抑圧されて眠っているだけで、決して死んでいるのではない。
— 戸坂潤 『イデオロギー概論』 青空文庫
原始的な自己愛のリビドーが有つ直接的な性的欲望と、目的の実現を抑圧された性的欲望とが、同時に存在するのが愛着(Verliebtheit)ということであるが、その際愛着の相手が自我理想――超我――となり、直接な性的欲望の目的実現が禁じられたのが、催眠の現象である。
— 戸坂潤 『イデオロギー概論』 青空文庫
作例 · 標準
健全な自己愛を持つことは大切だが、それが過剰になると周囲を傷つけてしまう。
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彼は強い自己愛の持ち主で、常に自分が注目の的でないと気が済まないようだ。
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失敗を他人のせいにばかりするのは、傷つきやすい自己愛を守るための防衛本能かもしれない。
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