衰え
おとろえ
名詞頻度ランク #11154 · 青空 228 例
標準
weakening
文例 · 用例
妹も、そのころは、痩せ衰えて、ちから無く、自分でも、うすうす、もうそんなに永くないことを知って来ている様子で、以前のように、あまり何かと私に無理難題いいつけて甘ったれるようなことが、なくなってしまって、私には、それがまた一そうつらいのでございます。
— 太宰治 『葉桜と魔笛』 青空文庫
もしもの事があったら老い衰えた両親や妻子はどうなるのだと思うと満身の血潮は一時に頭に漲る。
— 寺田寅彦 『枯菊の影』 青空文庫
新火山のことだから、土の締まりは、しッくりしていない、むしろ危ッかしいほど、柔脆の肉つきではあるが、楽焼の陶器のような、粗朴な釉薬を、うッすり刷いた赤る味と、火力の衰えた痕のほてりを残して、内へ内へと熱を含むほど、外へ外へと迫って来る力が、十方無障碍に放射することを感ずる。
— 小島烏水 『火と氷のシャスタ山』 青空文庫
今行くよ」「お前、又長くなるのじゃあるまいね」 病み疲れた、老い衰えた母は、そう訊ねることさえ気兼ねしていたのだが、辛抱し切れなくなって、囁くように言った。
— 葉山嘉樹 『生爪を剥ぐ』 青空文庫
吉田の老い衰えた母は、蝸牛のように固くなって、耳に指で栓をして、息を殺していた。
— 葉山嘉樹 『生爪を剥ぐ』 青空文庫
衰えた身体を九十度の暑さに持て余したのはつい数日前の事のように思われたのに、もう血液の不充分な手足の末端は、障子や火鉢くらいで防ぎ切れない寒さに凍えるような冬が来た。
— 寺田寅彦 『厄年と etc.』 青空文庫
その頃からそろそろ中心が分裂しはじめ正午頃には新潟附近で三つくらいの中心に分れてしまって次第に勢力が衰えて行ったのであった。
— 寺田寅彦 『颱風雑俎』 青空文庫
しかしそれがふいと見当をちがえて転向してみたり、また不明な原因で勢力が衰えてしまって軽い嵐くらいですんでしまうことがしばしばあるのである。
— 寺田寅彦 『颱風雑俎』 青空文庫