居敷
いしき
名詞
標準
kimono seat lining
文例 · 用例
ただ吹雪に怪飛んで、亡者のごとく、ふらふらと内へ戻ると、媼巫女は、台所の筵敷に居敷り、出刃庖丁をドギドギと研いでいて、納戸の炉に火が燃えて、破鍋のかかったのが、阿鼻とも焦熱とも凄じい。
— 泉鏡花 『神鷺之巻』 青空文庫
下女のみわは風祭村の豪農の娘で、行儀見習といふのであつたが、母の云ひつけは守らうともせずに、「身代を競べれば、おらの家なんか斯んな居敷の五倍もで、倉には千両箱が積んであら。
— 牧野信一 『淡雪』 青空文庫
小生の古つゞらに貯ふる処は僅にスコツチの背広が一|領、其れも九年前に拵へたれば窮屈なること夥しく、居敷のあたり雑巾の如くにさゝれて、白昼には市中をあるけぬ代物。
— 徳富盧花 『燕尾服着初の記』 青空文庫
まどろむ馬の胸にして、 おぼろに鈴は音をふるひ、山の焼畑 石の畑、 人もはかなくうまいしき。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 五十篇』 青空文庫
夜明けにはまだ途方もないしきっと雲が薄くなって月の光が透って来るのだ。
— 宮沢賢治 『秋田街道』 青空文庫
」 と傍にありたる奈四郎の妻なる人|呟きて身ぶるいしき。
— 泉鏡花 『龍潭譚』 青空文庫
…… 久助も、きつぱりとさういつて、古い、悪いしきたりを英雄的に改めたかつた。
— 新美南吉 『耳』 青空文庫
しかし、その古い悪いしきたりとは何であるかといふことになると、これはまた問題であつた。
— 新美南吉 『耳』 青空文庫
作例 · 標準
この留袖の仕立てでは、着心地を考慮して滑りの良い素材の居敷を選定しました。
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長年着用して擦り切れた長襦袢の居敷を、専門の職人が丁寧に繕い直しました。
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着物を綺麗に着付けるためには、居敷の当て方や、その素材選びも重要となります。
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古文書によれば、江戸時代には絹だけでなく、麻素材の居敷も用いられていた記録がある。
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