音信不通
おんしんふつう異読 いんしんふつう
名詞
標準
break in contact
文例 · 用例
私には、實の生みの母もあるのだが、いろいろの事情から、いまは音信不通になつてゐて、親孝行したくても、なかなか、それの許されない立場に在るのであるから、せめて、この家内の母にだけでも子としての務めを、ほんのわづかでも、無力の私にできる小さい範圍内でも、何かしたいと念じてゐるのだ。
— 太宰治 『當選の日』 青空文庫
第一、部分と全体とが仲違いをして音信不通の体である。
— 寺田寅彦 『二科展院展急行瞥見記』 青空文庫
仔細あって娘を当分は音信不通の約束でこちらへ貰いたいと、こう云うんです。
— 奥女中 『半七捕物帳』 青空文庫
「勿論、あなたの方にもいろいろの御都合もございましょうが、いくら音信不通のお約束でも、せめて御奉公の御屋敷様の御名前だけでも伺って置きたいと存じますのが、こりゃあ親の人情でございます。
— 奥女中 『半七捕物帳』 青空文庫
父の山気を露骨に受けついで、正作の兄は十六の歳に家を飛びだし音信不通、行方知れずになってしまった。
— 国木田独歩 『非凡なる凡人』 青空文庫
国とは音信不通、東京にはもちろん、親族もなければ古い朋友もないので、種々さまざまのことをやって参りましたが、いつも女のことで大事の場合をしくじってしまいました。
— 国木田独歩 『女難』 青空文庫
実直で父親似と思った次男は、思いがけない芸人で、年上の恋人が出来、それと同棲するために、関西へ移ったまま音信不通となった。
— 岡本かの子 『蝙蝠』 青空文庫
Sと私は五年間音信不通で、Sがどこにどうしているやら消息すらわからなかったのである。
— 織田作之助 『面会』 青空文庫