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泥海

どろうみ
名詞
1
標準
muddy sea
文例 · 用例
……無法な事を仕出して、諸君が萩原夫婦を追うて、鐘を撞く約束を怠って、万一、地が泥海になったらどうする!
泉鏡花 夜叉ヶ池 青空文庫
かかる群集の動揺む下に、冷然たる線路は、日脚に薄暗く沈んで、いまに鯊が釣れるから待て、と大都市の泥海に、入江のごとく彎曲しつつ、伸々と静まり返って、その癖|底光のする歯の土手を見せて、冷笑う。
泉鏡花 売色鴨南蛮 青空文庫
船橋市は、泥海に臨んだかなり大きいまちであった。
太宰治 人間失格 青空文庫
瀧を覆すやうで小留もなく家に居ながら皆蓑笠で凌いだ位、茅葺の繕をすることは扨置いて、表の戸もあけられず、内から内、隣同士、おう/\と声をかけ合つて纔に未だ人種の世に尽きぬのを知るばかり、八|日を八百|年と雨の中に籠ると九日目の真夜中から大風が吹出して其風の勢こゝが峠といふ処で忽ち泥海
泉鏡太郎 高野聖 青空文庫
ところが、文学の理論を俗学主義の中へ、形而上学の霞の中へ、無理論の泥海の中へ曳きずりこまうとするのは、まさに此の修正論である。
平林初之輔 文学の本質について(一) 青空文庫
佐世保の道路は悪い、どろ/\してゐる(雨後は)、まるで泥海だ、これも港町の一要素かも知れない。
種田山頭火 行乞記 青空文庫
彼等が移って来たその土地は茫漠とした泥海と田野につつまれていて、何の拠りどころも感じられなかったし、一歩でも閾の外に出ることは妙に気おくれが伴なうのだったが、それでも陽が沈んで国道が薄鼠色に変ってゆく頃、彼は妻と一緒によく外に出た。
原民喜 苦しく美しき夏 青空文庫
もの音の杜絶した夜半、泥海と茫漠たる野づらの涯しなくつづくそこの土地の妖しい空気をすぐ外に感じながら、ひとりでそんなことを考えていると、都会の兇悪な相貌がぐるぐると胸裡を駆けめぐりそれは一瞬たりとも彼のようなものの拠りつけそうにない場所に変っていた。
原民喜 冬日記 青空文庫
作例 · 標準
あの会社は、長年の経営不振でまさに泥海のようだ。
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嵐の後の港は、泥海のように濁っていた。
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彼は政治の泥海から抜け出すことを決意した。
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