咳く
しわぶく
Yodan verb with 'ku' ending (archaic)動詞-自動詞
標準
to cough
文例 · 用例
」「では……」 茶店の婆さんというのが、式のごとく古ぼけて、ごほん、と咳くのが聞えるから、夫人は余り気が進まぬらしかったが、二三人|子守女に、きょろきょろ見られながら、ずッと入る。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
首を竦めて、咳く時の寒さと云へばまた格別だ。
— 北原白秋 『観相の秋』 青空文庫
「申しあげます、御待ち兼ねの御客様が御見えになりましてございます」 障子の内に咳く声がした。
— 田中貢太郎 『人面瘡物語』 青空文庫
もう日暮時で、人里たえた山腹の道を寒さに慄へながら急いでゐると不意に道上で人の咳く聲を聞いた。
— 草鞋の話旅の話 『樹木とその葉』 青空文庫
」と自から窘めるがごとく呟いて、洋燈を見て、再び机に向った時、室が広いので灯も届かず、薄暗い古襖の外に咳く声して、「先生、御勉強じゃな、」といいながら静かに入ったのは、院の住職律師|雲岳である。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
病母の咳く声がする、父の鼾がつまりそうにしてまた大きく鳴る、国吉が寝言をいう、鼠が畳の上を駈け廻る。
— 伊藤左千夫 『新万葉物語』 青空文庫
この日貫一は授業|始の式のみにて早く帰来にけるが、下座敷には誰も見えで、火燵の間に宮の咳く声して、後は静に、我が帰りしを知らざるよと思ひければ、忍足に窺寄りぬ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
或る人夫小屋の側を通ろうとして不図立ち停った案内人が、「ハハア、これだナ」 と咳くので立ち寄って見ると其処には三尺角ほどの大きな厚板が四五枚立てかけてあった。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
作例 · 標準
病の床で、老人は苦しそうに咳いた。
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物語の登場人物は、感情を抑えきれずに咳いた。
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「ゴホッ、ゴホッ…」と、彼は小さく咳いた。
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