正比
せいひ
名詞
標準
direct ratio
文例 · 用例
ただ純粋の詩人だけは、その天才に正比例して、常に必ず不遇である。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
そして多くの場合においてその惰性は恒同であり、弾力は変位に正比例するから運動の方程式は簡単である。
— 寺田寅彦 『笑い』 青空文庫
その間彼は自分の呼吸が段々静まつて行くのを、何んだか心淋しいやうな気持で注意した――インスピレーションが離れ去つて行くやうな――表面的な自己に還つて行くやうな――何物かの世界から何物でもない世界に這入つて行くやうな―― 呼吸が静まるのと正比例して、子供の泣き声はひし/\と彼の胸に徹へだした。
— 有島武郎 『An Incident』 青空文庫
……暮れてお暇乞する、次良さんの事を話しながら戻つた、二郎さんは不幸な人だ、彼の善良と不幸とは正比例してゐる。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
勿論吾人の生存を便宜にする爲として、複雜靈妙なる應酬作用や代償作用が行はるゝものであるから、器分非器分の増減關係は必ずしも正比例的にのみは發現せぬ場合がある。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
要するにだ、僕はこの怪事件をやがて解決するだろうが、いや、もう解決してしまっているんだが、その手軽さは、警察の連中の眼に解決不可能と見えるのとちょうど正比例しているんだね」 私はびっくりして黙ったまま彼を見つめた。
— THE MURDERS IN THE RUE MORGUE 『モルグ街の殺人事件』 青空文庫
その実を云えば、貧でも幸福があり得、富んでも不幸があることは、少しく世相を看破した人にあっては誰も認知していることであることは、喩えば砂糖の有無多少が必ずしも美味不美味に正比例をなさぬと同じきが如くに受取られるのである。
— 幸田露伴 『貧富幸不幸』 青空文庫
寧ろ貧富と幸福不幸福とを正比例だと思う如き妄見を脱却して、貧乏は貧乏でも幸福は幸福であるという見方にして、灰打ちたたく鰮一枚を二人で飯の菜にしても、清く面白く暮らした方が端的に美的生活即幸福生活である。
— 幸田露伴 『貧富幸不幸』 青空文庫
作例 · 標準
投資した金額と得られる配当が正比の関係にあるとは限らない。
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練習時間と上達速度が常に正比を描くわけではないが、努力は裏切らない。
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実験データによれば、温度の上昇に伴って圧力も正比で変化している。
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