鷲掴み
わしづかみ異読 ワシづかみ
名詞
標準
grabbing hold
文例 · 用例
伯母の夫は、足駄をはいて、両手に一俵ずつ四斗俵を鷲掴みにさげて歩いたり、肩の上へ同時に三俵の米俵をのっけて、河にかけられた細い、ひわ/\する板橋を渡ったりする力持ちだった。
— 黒島傳治 『浮動する地価』 青空文庫
麦稈帽を鷲掴みに持添へて、膝までの靴足袋に、革紐を堅くかゞつて、赤靴で、少々抜衣紋に背筋を膨らまして――別れとなればお互に、峠の岐路に悄乎と立つたのには――汽車から溢れて、風に吹かれて来た、木の葉のやうな旅人も、おのづから哀れを催し、挨拶を申すうちに、つい其誘はれて。
— 泉鏡太郎 『十和田湖』 青空文庫
甚平は手拭を鷲掴みで、思わず肩を聳かした。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
「…………」 一散に遁げもならず、立停まった渠は、馬の尾に油を塗って置いて、鷲掴みの掌を辷り抜けなんだを口惜く思ったろう。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
と白き頸を鷲掴み、「この阿魔、生意気に人|好をしやあがる。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
」と車夫の吉造、不意に飛込んで、婦人の髻鷲掴みにしてぐいと引けば、顔をしかめて、「あ痛、つつつつつ」と拳に手を懸け、「無体な、何をするんだねえ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
」懇に註文した、熱燗を鷲掴みにしながら、框へ胸を斜つかけ、腰を落して、下睨みに、刺青の腕で、ぐいと突き出す――といつた調子だから、古疊の片隅へ、裾のよぢれたので畏まつた客の、幅の利かないこと一通りでない。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
そして今日一日の次郎、三郎の儲けの金を鷲掴みにしたが、瞬間びっくりしたように飛び上ると、ブルブルふるえる手で、その金を罐の中へ戻した。
— 織田作之助 『夜光虫』 青空文庫
作例 · 標準
犯人は、被害者を鷲掴みにして連れ去った。
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彼は、チャンスを逃すまいと、その機会を鷲掴みにした。
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「危ない!危ない!危ない!鷲掴みされるところだった!」と、彼女は叫んだ。
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