紫陽花
あじさい異読 アジサイ
名詞頻度ランク #18536 · 青空 289 例
標準
bigleaf hydrangea (Hydrangea macrophylla)
文例 · 用例
北の屋蔭の苔むしたる井筒に、新調の洋服涼しげなる若人二人、巴里形の麥藁帽子見よげにかぶりて、細き櫻のステツキを手すさびに振り上げ、花もまだきなる紫陽花の葉を叩きつ、あやめを隔ててこなた、うちまもり給へるなりけり。
— 萩原朔太郎 『花あやめ』 青空文庫
天幕が霧の中に、小さくぼんやり見える、四ツ柱に、油紙がぺらぺらとして、田舎の卵塔場のようだ、今まで、あそこに寝ていたのか知ら……この霧と雨の中を、たった紙一枚の下に……火光がパッとさす、霧の水球が、美しい紫陽花色に輝いたかとおもうと、消えた。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
それだのに富士の裾野の水車は、水辺に夕暮の淡い色を滲じみ出した紫陽花の一と群れに交わって、丸裸のまま、ギイギイ声を立て、田から田へ忙しく水を配ばり、米を研ぎ、材木を挽いたりして、精を出して働いている。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
私は余り気の毒さに顔も上げられないでそっと盗むようにして見ると、婦人は何事も別に気に懸けてはおらぬ様子、そのまま後へ跟いて出ようとする時、紫陽花の花の蔭からぬいと出た一名の親仁がある。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
) 背後から親仁が見るように思ったが、導かるるままに壁について、かの紫陽花のある方ではない。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
戸外はあたかも真昼のよう、月の光は開け拡げた家の内へはらはらとさして、紫陽花の色も鮮麗に蒼かった。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
しばらくすると、右手のかの紫陽花が咲いていたその花の下あたりで、鳥の羽ばたきする音。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
時に、廊下口から、扉の透間から、差覗いて、笑ふが如く、顰むが如く、ニタリ、ニガリと行つて、彼方此方に、ぬれ/\と青いのは紫陽花の面である。
— 泉鏡太郎 『十和田湖』 青空文庫
作例 · 標準
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