飄逸
ひょういつ
形容動詞
標準
easygoing
文例 · 用例
芭蕉の書体が雄健で闊達であるに反して、蕪村の文字は飄逸で寒そうにかじかんでいる。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
それでいてほとんど俗世の何事も知らないような飄逸なふうがあった。
— 寺田寅彦 『亮の追憶』 青空文庫
三人の兄弟のだれと思い比べてみても、どこか世間をはなれたような飄逸なところのある点でいちばん父の春田居士の風貌を伝えていたのではないかと私には思われる。
— 寺田寅彦 『亮の追憶』 青空文庫
それを付け合せの茸の淡白の味が飄逸に取做す、山野の侘びとフランス人工の奢りとの取合せだ。
— 岡本かの子 『食魔に贈る』 青空文庫
――どの品にも一風流あって面白いが、わけてこの蛙の絵を描いた松風の歌の茶道具一揃いが俗を離れて飄逸じゃ。
— 岡本かの子 『ある日の蓮月尼』 青空文庫
――宛如、秋の掛稻に、干菜、大根を掛けつらね、眞赤な蕃椒の束を交へた、飄逸にして錆のある友禪を一面ずらりと張立てたやうでもあるし、しきりに一小間々々に、徳利にお猪口、お魚に扇、手桶と云ふのまで結びつけた、小兒衆がお馴染の、當ものの臺紙で山を包んだ體もある。
— 泉鏡太郎 『飯坂ゆき』 青空文庫
それも懐素のような奇怪な又|飄逸なものではありません、もっと柔らかに、もっと穏やかに、そうして時々粋な所を仄かすといったような草書です。
— 夏目漱石 『木下杢太郎著『唐草表紙』序』 青空文庫
「それじゃ葬式の日まで、君の身体が持つか持たんか判らないぜ」 逸作はしばらく術無げに黙っていたが、ふと妙案のように、「どうだ一つ、さっきのお雛妓の、あの若いかの子さんでも聘んで元気づけに君に見せてやるか」 逸作は人生の寂しさを努めて紛らすために何か飄逸な筆つきを使う画家であった。
— 岡本かの子 『雛妓』 青空文庫
作例 · 標準
退職後の彼は、どこか飄逸な雰囲気を漂わせながら、悠々自適の生活を送っている。
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その作家の文体は飄逸としていて、読む者の心を不思議と軽やかにしてくれる。
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世俗のしがらみを笑い飛ばすような彼の飄逸な生き方に、密かな憧れを抱く。
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