嘶き
いななき
名詞
標準
neigh
文例 · 用例
ひゝと嘶きて引放れていぬべき顔したり」と述べており、駒の嘶きを「ひゝ」と写している。
— 橋本進吉 『駒のいななき』 青空文庫
江戸時代に入って、鹿野武左衛門の『鹿の巻筆』(巻三、第三話)に、堺町の芝居で馬の脚になった男が贔屓の歓呼に答えて「いゝん/\と云ながらぶたいうちをはねまわつた」とあるが、この「いゝん」は『落窪物語』の「いう」と通ずるもので、馬の嘶きを「イ」で写す伝統が元禄の頃までも絶えなかったことを示す適例である。
— 橋本進吉 『駒のいななき』 青空文庫
馬が嘶きあい、背でリンリン鈴が鳴った。
— 黒島伝治 『橇』 青空文庫
尻尾を焼かれた馬が芝生のある傾斜面を、ほえるように嘶き、倒れている人間のあいだを縫って狂的に馳せまわった。
— 黒島伝治 『パルチザン・ウォルコフ』 青空文庫
豊吉はお花が土蔵の前の石段に腰掛けて唱う唱歌をききながら茶室の窓に倚りかかって居眠り、源造に誘われて釣りに出かけて居眠りながら釣り、勇の馬になッて、のそのそと座敷をはいまわり、馬の嘶き声を所望されて、牛の鳴くまねと間違えて勇に怒られ、家じゅうを笑わせた。
— 国木田独歩 『河霧』 青空文庫
(駒、高嘶きす)〔――この時、看客の笑声あるいは静まらん。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
寺院は随一の華主なる豆府屋の担夫一人、夕巡回にまた例の商売をなさんとて、四ツ谷|油揚坂なる宗福寺に来りけるが、数十輛の馬車、腕車、梶棒を連ね輪を駢べて、肥馬|嘶き、道を擁し、馭者、馬丁、車夫の輩、手に手に桝を取りて控えたる境内には、一百有余の俵を積み、白米|筵に山をなせり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
たちまち鞭の鳴るとともに、二頭の馬は高く嘶きて一文字に跳ね出だせり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
作例 · 標準
夜、静かな牧場に響く馬の嘶きに、森の動物たちも耳を澄ませた。
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訓練された競走馬は、スタートの合図を待つ間、興奮した嘶きを漏らした。
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遠くから聞こえる力強い嘶きは、野生の馬が仲間を呼んでいるかのようだった。
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