憂い顔
うれいがお
名詞
標準
sad face
文例 · 用例
たとえば、何々学院の何々女史とでもいったような者が「子供の純真性は尊い」などと甚だあいまい模糊たる事を憂い顔で言って歎息して、それを女史のお弟子の婦人がそのまま信奉して自分の亭主に訴える。
— 太宰治 『純真』 青空文庫
その人が子猫の憂い顔で最後にぼくに云った言葉は、やはり、「では御免なさいね。
— 田中英光 『さようなら』 青空文庫
長男がこの弟の無職を憂い顔で、砂利を積んだ牛車を運び、駅からの真直ぐな路を往ったり来たりしている。
— ――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 『夜の靴』 青空文庫
「いや、そうは思わないね」と和次郎は云った、「姉はもっと細かった、もっと沈んだ、憂い顔をしていたよ」 そして彼は、さらに強く眉をひそめた。
— 山本周五郎 『みずぐるま』 青空文庫
女房子供と小さく安穏に暮すだけでたくさんだ、たゞ腹いっぱい食べたい、というのもあるし、約束した娘はどうしたやら、もうお婆さんになっているだろうな、と憂い顔なのもいた。
— 坂口安吾 『淪落の青春』 青空文庫
そして、その悲しみをまぎらす為に、千代子の物淋しげな、憂い顔を、彼の脳裏からかき消す為に、それが本来の目的でもあるかの如く、彼はひたすら、彼の事業に没頭するのでありました。
— 江戸川乱歩 『パノラマ島綺譚』 青空文庫
経明は、もう眼もかすみ、腰も曲がって、物の役には立たない老齢なので、御厨の御料の池の番所に詰め、めったに、館へも来なかったが、たまたま、新年の宴に会して、かえってひどく憂い顔に沈んでいた。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
「義昭将軍こそ、痛し痒し、さだめし物憂い顔しておろう」 信長は、その顔つきを想像して、何か、おかしくなった。
— 第四分冊 『新書太閤記』 青空文庫
作例 · 標準
例句