祖先の霊
そせんのれい
名詞
標準
ancestral spirits
文例 · 用例
祖先の霊があるかのように背後を顧みて、祖先崇拝をして、義務があるかのように、徳義の道を踏んで、前途に光明を見て進んで行く。
— 森鴎外 『かのように』 青空文庫
祖先の霊の祭りのために帰る身であるにも係はらず、現実に近づかうとする母の幻が次第に輪廓を描き出して来ると、あれこれとかたちをとつて盛りあがつてゐた映像が忽ちオシキリで裁断される藁のやうに粉々になつて烈風の空へ吹き飛んでゆくのであつた。
— 牧野信一 『剥製』 青空文庫
草市と盂蘭盆 魂まつりということ、釈迦の教えに基づいて年々の盂蘭盆に、精霊壇へ百味五果を供え、以て祖先の霊を招くは江戸ッ児のザックバランにも合する振舞いで、その魂まつる日の数々の供物など、草市の商いは陰気でどこかうら淋しい感じはするが、それでも商うどの出店は、数も歳の市に多くは譲らぬ。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
日本の道徳の根源が祖先崇拝なら、これを認めぬという宗旨とは、必ずどこかで衝突せずにはおれないさ、カソリックは霊魂を認めるくせに、その国の祖先の霊魂を否定するというのは、僕には分らないのだ。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
祖先の霊と考へるのもあり、唯の老人夫婦だとおもうてゐるのもある。
— 折口信夫 『村々の祭り』 青空文庫
簑笠を著けて家に入ることの出来るのは、神のみであるから、中でも、あんがまあと言ふ祖先の霊の出る祭りは、最古い意味を持つてゐるものと思はれる。
— 折口信夫 『鬼の話』 青空文庫
歳神は、祖先の霊が一个年間の農業を祝福しに来るので、此を迎へる為に歳棚を作るのであるが、今は門松ばかりを樹てるやうになつて了うた。
— 折口信夫 『鬼の話』 青空文庫
伊波普猷氏は、御すぢの御前を祖先の霊、御火鉢の御前を火の神、金の美御すぢを金属の神と説いて居られる。
— 折口信夫 『琉球の宗教』 青空文庫
作例 · 標準
お盆の時期には、祖先の霊が家に戻ってくると信じられている。
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彼は墓前で静かに手を合わせ、祖先の霊に感謝を捧げた。
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地域の人々は、年に一度、祖先の霊を慰めるための祭りを行う。
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