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越し荷

こしに
名詞
1
標準
文例 · 用例
物置はそのために隅々までしらべられ、もう十七年も前、駒沢の家から外国旅行に出るとき、遑しい引越し荷物の一部として石油の空かんにつめられた古雑誌も出て来た。
宮本百合子 折たく柴 青空文庫
越し荷物は決して多いほうではなかったが、それでも、この手ぜまな家にはどうにも納まりかねた。
第五部 次郎物語 青空文庫
花隈の熊の子分らしいのが、たくさんな竿竹だの筵だの、また蒲団だとか火鉢だとか、まるで引っ越し荷物ほど、何台かの車で運んで来て、「なるほど、ここはお誂えむきだ」 と、建碑小屋をわが物顔に陣取ってしまった。
吉川英治 梅里先生行状記 青空文庫
京都を立つ前に、上方で整えた討入の武器、服装、その他の品は、引っ越し荷物に見せかけて、船上げをすると、これは吉良家の邸に近い隠れ家へおく必要があるので、堀部弥兵衛老人と、奥田孫太夫のふたりに任せて、隠れ家へ運んでおいた。
吉川英治 新編忠臣蔵 青空文庫
その時の約束で、露八は、浜中屋の家族や、引っ越し荷物と一緒に、清水港から船で東京へ帰った。
吉川英治 松のや露八 青空文庫
家財もまた、ただの引っ越し荷物とはちがって、琴ばかりが十面も束ねてあるし、紫檀と見える箪笥には黄金の金具が光を放ち、友禅の夜具、定紋のつづら、金泥の衝立、御簾、絽蚊帳、象牙もの、螺鈿もの、近づくほどその雑然と芥のように積んだ財宝の豪奢さに驚かされる。
吉川英治 松のや露八 青空文庫
「おや、また三谷の船だよ」「今朝から、これで何十艘、引っ越し荷物を積んで下ったか分からない」「だが、あのご大家も、地所|金蔵、みんな三井に奪られて、とうとう没落たんだってね」「太政官の官員様は、たいがい三井の肩持ちだから」「斧四郎旦那は、気が変になったといううわさもあるけれど……。
吉川英治 松のや露八 青空文庫
そこで又問答が行われたのだが、その結果、北園竜子の大小十三箇の引越し荷物は、運賃前払、東海道三島駅前運送店|留置という指図で、昨日の夕方貨車に積み込んだことが判明した。
江戸川乱歩 悪魔の紋章 青空文庫