臥牛
がぎゅう
名詞
標準
文例 · 用例
然し右手の臥牛山の中腹から、やや急な傾斜を作つて、入り亂れた家家が流れるやうに大野の平地の方へ擴がつてゐる地形の面白さが私の眼を惹いた。
— 南部修太郎 『修道院の秋』 青空文庫
佐渡が、臥牛のようにゆったり水平線に横わって居ります。
— 太宰治 『みみずく通信』 青空文庫
後に、伊達正宗の最初の居城、臥牛の城閣がこの丘の上に組まれ、当時の城閣を偲ばせる本丸の地形や城郭の跡が今でも残っている。
— ――私の郷土を語る―― 『荒雄川のほとり』 青空文庫
「栗駒おろし吹きなびく 臥牛城下に生をうけ 残されたりし英雄の ……」 私達は子供の時分、そんな歌を歌った。
— ――私の郷土を語る―― 『荒雄川のほとり』 青空文庫
而して僧の如き、佛陀の如き、臥牛の如き、奔馬の如き小山脈はこれに從ひて遙かに西に駛れるを見る。
— 田山花袋 『秋の岐蘇路』 青空文庫
種子島は大隅諸島に屬し、北北東から、南南西にかけて細長く、約七十二キロ、いわゆる九州山系の外帶を構成する第三紀の砂岩、粘板岩、礫岩等からなる小丘がつらなり、臥牛の背に似てゐる。
— 林芙美子 『屋久島紀行』 青空文庫
丑べにで思出したは、この頃でも時々、この日の紅買いに土製木彫りなんどの臥牛を景物とする店、昔のように残れることで、これも江戸趣味の、なお滅びざる俤の一つとして、吾儕はまたなく愛するものである。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
臥牛山を心にした巴形の函館が、鳥瞰図を展べた様に眼下に開ける。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫