竹樋
たけどい
名詞
標準
文例 · 用例
谷窪の家には、湧き水の出場所が少し変ったというので棕梠縄の繃帯をした竹樋で池の水の遣り繰りをしてあった。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
汚れた草履を履いて、義観の背後からついて行くと、竹樋から水の落ちている崖の下を降って、少し行ったところに、二尺四方に近い石を置いて、土の高くなったところがあった。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
」近寄って見ると、かなり広い湯槽にいっぱい、上から竹樋で引いた湯が、ざわざわざわざわと溢れて流れている、アルカリー泉のようだ。
— 吉江喬松 『木曾御嶽の両面』 青空文庫
」近寄つて見ると、可成廣い湯槽にいつぱい、上から竹樋で引いた湯が、ざわ/\ざわ/\と溢れて流れてゐる、アルリカー泉のやうだ。
— 吉江喬松 『山岳美觀』 青空文庫
今日しも与八は、おひるの時分、いつものように大勢とは離れて、小高みになった藪蔭のところに竹樋を通した清水を掬いながら、握飯を郁太郎にも食べさせ、自分も食べていると、不意に後ろから人の足音があって、ガサガサッと藪の下萌が鳴る。
— 不破の関の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
浴槽は入口の近くにあって、五、六坪もあろう、中を二つに仕切ってあって、湯は中央のあたりに、竹樋から滔々と落ちている。
— 大下藤次郎 『白峰の麓』 青空文庫
勘平は、竹樋を外して、『がぼっ……』 と、水を鳴らして、口へ入れた。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
ザザザザッと竹樋の水が、傘に落ちて、滝のように水玉の変化を見せる。
— 吉川英治 『銀河まつり』 青空文庫