銀盆
ぎんぼん
名詞
標準
文例 · 用例
燕尾服をつけた給仕が、銀盆に一枚の名刺を置いて、ものものしく妾達の卓子の前で、黒い尾を折りました。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
そのとき、さきの少女が紅茶の銀盆をささげてはいって来たのだ。
— 太宰治 『彼は昔の彼ならず』 青空文庫
少女は耳の附け根まであかくなった顔を錆びた銀盆で半分かくし、瞳の茶色なおおきい眼を更におおきくして彼を睨んだ。
— 太宰治 『彼は昔の彼ならず』 青空文庫
生々しい膝節を出してスカートのような赤縞のケウトを腰につけたスコットランド服の美貌の門番が銀盆の上に沢山の「平凡」を運んで来た。
— 岡本かの子 『バットクラス』 青空文庫
」新子が、重ねて注意をしようと思う間に、美和子はもう、バーテンからウィスキイの壜とリキュールと落花生とをのせた銀盆を、すまして前川の席へ運んで行った。
— 菊池寛 『貞操問答』 青空文庫
六 銀盆に落花生とカクテルとを載せて、運んで行くと、「貴女は?
— 菊池寛 『貞操問答』 青空文庫
ギヤマンの茶器を銀盆ごと投げ出した。
— 夢野久作 『名君忠之』 青空文庫
そうして二十円札を一枚ボーイの銀盆の上に投げ出すと、並んだ料理は見向きもしないで、階段をよろめき降りて行った。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫