徒爾
とじ
形容動詞名詞頻度ランク #26991 · 青空 41 例
標準
uselessness
文例 · 用例
おしまひのはうに、「我國人の間にも豈之が紹介の要無しと言はんや、本書の譯ある徒爾ならざるを信ず。
— 太宰治 『ラロシフコー』 青空文庫
重太郎は徒爾に眼を瞠り、手を拡げて、其の尊き宝であるべきことを頻に説明|為ようと試みた。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
」 上と下とて遥かに呼び合っていたが、何を云うにも屏風のような峭立の懸崖幾丈、下では徒爾に瞰上げるばかりで、攀登るべき足代も無いには困った。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
巡査は拠ろなく手を束ねて、其の快癒に向うのを待つ中に、四五日は徒爾に過ぎた。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
重太郎は宝に心を惹されて、徒爾に幾日かを煩悶の中に送った。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
鄭和胡※の出づるある、徒爾ならんや。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
福を得んとするの極、所謂淫祠邪神に事ふるをも辭せずして、白蛇に媚び、妖狐に諂ふ如きに至つては、其の醜陋なること當り難きものであるが、滔々たる世上幾多の人が、或は心を苦め、或は身を苦め、營々孜々として勉め勤めてゐるのも、皆多くは福を得んが爲なのであると思へば、福に就て言を爲すも亦徒爾ではあるまい。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
何れにしても、少くとも此の八ヶ年の苦しみは私にとつては決して徒爾では無かつたと信ずる。
— 北原白秋 『雀の卵』 青空文庫