窺い見る
うかがいみる
動詞
標準
文例 · 用例
西洋文明の諸国においても皆|然らざるはなきその中についても、日本の如きは最も甚だしきものにして、古来の習俗、一男多妻を禁ぜざるの事実を見ても、大概を窺い見るべし。
— 福沢諭吉 『日本男子論』 青空文庫
重吉はこの年月仲間の女や媒介業の老婆などの陰口を聞いて、お千代がお客に好かれる訳合いを能く知っていたのであるが、しかしそれは要するに噂に聞くばかりの事で、直接お客の面貌を見知った後お千代のこれに対する様子をはっきり窺い見る事を得たのは今度始めて妾宅へ引移ってからの事であった。
— 永井荷風 『ひかげの花』 青空文庫
それどころかわたしは、自分の書物の飾りとしたり支えとしたりするために、何かよそからもくすね取ることができるのではないかと窺い見るようになってから、始めて他人の書物に注意深く耳を傾けるようになったのである。
— ESSAIS DE MONTAIGNE 『モンテーニュ随想録』 青空文庫
もし各人が自分を支配するもろもろの情念の結果や状況を、ちょうどわたしが自分の陥った情念についてしたように眼をこらして窺い見るならば、きっとその人は、それらの情念のやがてくるであろうことを予見し、その勢いとその進みとをいささかなりとも前以て緩和するであろう。
— ESSAIS DE MONTAIGNE 『モンテーニュ随想録』 青空文庫
春彦夫婦は再び表をうかがい見る。
— 岡本綺堂 『修禅寺物語』 青空文庫
また、室内をうかがい見るに、あるいは観音の像をかけ、あるいは関帝を祭り、あるいは壁上に神字を刻したるものを崇拝す。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
」 彼がここまで話して言葉を切り、黙りこんでいる予審判事のほうをうかがい見ると、この男がちょうど群衆のなかの誰かと眼で合図をしているのを認めたように思えた。
— DER PROZESS 『審判』 青空文庫