蘇芳
すおう異読 スオウ
名詞
標準
sappanwood (Caesalpinia sappan)
文例 · 用例
もし、これは、桜貝、蘇芳貝、いろいろの貝を蕊にして、花の波が白く咲きます、その渚を、青い山、緑の小松に包まれて、大陸の婦たちが、夏の頃、百合、桔梗、月見草、夕顔の雪の装などして、旭の光、月影に、遥に(高濶なる碧瑠璃の天井を、髪|艶やかに打仰ぐ)姿を映します。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
御先祖の霊前に近く、覚悟はよいか、嬉しゅうござんす、お妻の胸元を刺貫き――洋刀か――はてな、そこまでは聞いておかない――返す刀で、峨々たる巌石を背に、十文字の立ち腹を掻切って、大蘇芳年の筆の冴を見よ、描く処の錦絵のごとく、黒髪山の山裾に血を流そうとしたのであった。
— 泉鏡花 『開扉一妖帖』 青空文庫
特に今年は樺山伯の孫女が、垂髫のろうろうしさを以て、繊小な足跡を山上の火山灰に印したと聞いては、眉を描き、眼尻を塗り、蘇芳に頬を染める女学生すらある今日に、吾党のため実に大なる援助を得たものと思われてうれしい。
— 島木赤彦 『女子霧ヶ峰登山記』 青空文庫
たとえば、第一の部分「揺れる樹々」につづいて「聴きわけられぬ跫音」そのほか「崖の上」「白霧」「蘇芳の花」「苔」などという小題をもって。
— 宮本百合子 『あとがき(『宮本百合子選集』第六巻)』 青空文庫
たとえは明治時代に入ってからの大蘇芳年といったような人などのものは、つい見かけないようでした。
— ――花は霞を透してひとしおの風情があるもの―― 『浮世絵画家の肉筆』 青空文庫
」「……ハイ、その、蘇芳とおっしゃいましたので」「蘇芳と云ったが何故可笑しい」「染料は蘇芳ではございません」「それがそんなに可笑しいのか?
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
何しろ一刀とは申すものの、胸もとの突き傷でございますから、死骸のまはりの竹の落葉は、蘇芳に滲みたやうでございます。
— 芥川龍之介 『藪の中』 青空文庫
蘇芳染の水干を着た相手は、太刀のつばを鳴らして、「ふふん」と言ったまま、答えない。
— 芥川龍之介 『偸盗』 青空文庫
作例 · 標準
蘇芳の木片を煮出して、美しい赤色の染料を作る。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
植物園で、熱帯アジア原産の蘇芳の木が大きく枝を広げているのを見た。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
蘇芳は古来より、薬用としても重宝されてきた歴史がある。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
標準
sappanwood dye (red in colour)
作例 · 標準
蘇芳で染め上げられた深みのある紅色は、高貴な印象を与える。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
「蘇芳色の着物がよくお似合いですね」と、茶会の席で褒められた。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
自然由来の蘇芳染めは、化学染料にはない独特の風合いがある。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
標準
layered colour (light brown on the front, dark red beneath)
作例 · 標準
平安貴族の女性たちは、季節に合わせて蘇芳の襲を身にまとった。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
表が薄茶で裏が赤という蘇芳の重ね着は、秋の深まりを感じさせる装いだ。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
時代考証に基づき、映画の衣装に蘇芳の襲が取り入れられた。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview