磚子苗
くぐ異読 いぬくぐ・イヌクグ・クグ
名詞多音語
標準
Pacific island flatsedge (Cyperus cyperoides)
文例 · 用例
これは岩崎灌園の著『本草図譜』巻之七にその図が出て、灌園はそれを「水莎草(救荒本草 磚子苗注)水生のかやつりぐさなり苗葉三稜に似て陸生[牧野いう、陸生の意味分らぬ]より長大なり高さ三四尺武州不忍の池に多し」と書いている。
— 牧野富太郎 『植物一日一題』 青空文庫
停車場のガードをくぐつて坂を登ると、暗い煤ぼけた古道具や、安物の足袋など店に竝べた、昔の宿場そつくりの町がある。
— 萩原朔太郎 『悲しい新宿』 青空文庫
君たちは、たったいま、一の鳥居をくぐっただけだ」「ちぇっ!
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
私は汗を拭い、ちょっと威容を正して門をくぐり、猛犬はいないかと四方八方に気をくばりながら玄関の呼鈴を押した。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫
『喧嘩だ、喧嘩だ、』背中を突かれて驚く男、袂をくぐられて間誤付く女、跳ね飛ばされて泣くは子供、足下を攫はれて轉ぶが年寄、呆氣に取られた人人の間を縫て、矢の樣に走つて行く一人の男。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
煤の埃の中にして捨松ここに思ふ樣老店の主人三代の暖簾をくぐる町人は幾度同じ夢を見て繰り返したる榮落に街の繁華は見たるなり。
— 萩原朔太郎 『煤掃』 青空文庫
馬はどっちへ行こうかと云う風で立止っていると、女の子は馬の腹をくぐって前へまわってまたダーダーと云いながら新屋敷の方へ引いて行った。
— 寺田寅彦 『鴫つき』 青空文庫
浦島は龜の甲羅から降りて、龜に案内をせられ、小腰をかがめてその正門をくぐる。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫